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パテックフィリップ -若者からの支持はいつからか?-

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 腕時計投資家の斉藤由貴生です。

 連載第10回目の今回は、パテックフィリップについてお話させていただきたいと思います。

 

 ここ最近、パテックフィリップについて思い浮かぶのは、多くの人から憧れられるブランドだという点。

 けれども、そんなパテックフィリップという存在に対する人々の捉え方は、過去と現在では異なる様子です。

 特に若い人に関しては、そういった傾向は顕著だといえるのですが、なぜかというと、かつて若者はパテックフィリップに興味を示していなかったからです。

 「買えるか否か」は別として、人気のある高級品は若者から憧れられる傾向があるといえます。

 クルマだとランボルギーニやフェラーリ、ベントレーなどの超高級車がそれに該当するでしょう。

 そして現在、それに該当する腕時計ブランドは、まさにパテックフィリップやロレックスだといえます。

 しかし、かつてのパテックフィリップは、若者からの知名度もなく、その人気度は皆無に等しかったのです。

 私の個人的な経験としては、10代の頃、「その時計なに?」と聞かれ、「パテックフィリップ」と答えても、「なにそれ?」という感じでした。

 また、それがジャンボサイズのノーチラスでも、当時の10代の若者は「だせーよ」とか「変な形」という感想が主。

 私が10代だったのは2000年代前半のことですが、当時の若者は決して高級腕時計に興味がないわけではなく、ロレックスのデイトナやフランクミュラーなどに興味を示していました。

 例えば、若者向けの雑誌では、ホストなど若くして大金を得た人が特集されていた際、「高い持ち物」として登場した筆頭格はフランクミュラーだった記憶があります。

 けれども今の時代、そういった若者はもちろん、ホストの方からもパテックフィリップは支持されているといえます。

 2019年現在において、有名ホストの筆頭格といえば、ローランドさんだといえますが、彼が所有するのは、パテックフィリップのノーチラス。

 かつてであれば、ローランドさんのように派手目なスタイルの方が、パテックフィリップを選ぶなんて想像できなかったといえます。

 けれども、今の時代ローランドさんがノーチラスを着けていても違和感がありません。

 そして、そういった傾向は、私のノーチラスにかつて興味を示していなかった友人でも同様。

 アストンマーチンを購入した友人は、「本当はノーチラスが欲しかった」といいながら、カラトラバの5196を購入していました。

 彼もまた、かつてであればパテックフィリップを購入するなど選択肢には無かったことだと思いますし、カラトラバなんてありえない選択だったと思います。

 パテックフィリップという存在は、以前から「雲上」という印象は共通するものの、昔は多くの人にとって選択の対象ではなかったと感じました。

 まさに「雲上」という言葉の通り、最高級すぎて自分には関係ないと思っていた方が多かったといえます。

 その結果、かっこいい大人がパテックフィリップを楽しんでいる姿を見ることがなかったため、若者からの支持も少なかったのでしょう。

 

 パテックフィリップに多くの人が注目し始めたのは、2005年前後を境とするノーチラス&アクアノートの世代交代だといえますが、その時代から、それらスポーツ系を中心にパテックフィリップという選択は時計ファンにとってメジャーになったと思います。

 値動き的にも2005年頃から目立って上昇し、その時代を見ていた私としては「やっと注目された」と感じた記憶があります。

 とはいえ、その時代でも若者世代までは、パテックフィリップ人気は伝わっていないという印象。

 では、いつから若い人にとってパテックフィリップは、いったいいつから憧れのブランドとなったのでしょうか。

 

 10代の頃からパテックフィリップを所有し、当時の同世代から興味を示されなかったという稀有な経験がある私は、その境目は2010年代だと考えています。

 特に2013年以降、パテックフィリップに興味を持つ若いが増えたと感じ、20代前半世代ぐらいにまでパテックフィリップ人気が浸透したと思います。

 若い人からの支持があるということは、腕時計人気にとってとても重要だと思います。

 デイトナは20年ほど前から人気高級腕時計の筆頭格ですが、やはりその頃から若者支持の強い時計でした。

 ノーチラスは今、デイトナを凌ぐほどの人気度となっているといえますが、やはりそれもまた、若者支持が向上したからだと思うのです。