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ランゲ&ゾーネ

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 腕時計投資家の斉藤由貴生です。

 連載第14回目の今回は、ランゲ&ゾーネについてお話させていただきたいと思います。

 

 現在のランゲ&ゾーネは、90年代に復活したブランドで、リシュモングループに所属。「復活」「リシュモン」といえば、オフィチーネパネライという存在がありますが、2000年代という時代に注目されたという点もまた、ランゲ&ゾーネと同様です。

 

 パネライというブランドは、リシュモン以降と以前では、ルミノールの基本形こそ同じであるものの、そのブランドのあり方は随分違うことは有名です。

 今ではリシュモン以前のモノは「プレヴァンドーム」として高値傾向がありますが、リシュモン以降に大ヒットしたからこそ、その希少価値が評価されているといえます。

 そういったことから、リシュモングループのプロデュース能力はただならないと感じるわけで、ランゲ&ゾーネもまた、リシュモンによって完全にプロデュースされたと思うところです。

 

 けれども、実はランゲ&ゾーネの場合、リシュモン以降と以前において、パネライほどの大きな差はありません。

 現在のブランドのあり方は、1994年にほぼ決まっていたといっても過言ではないでしょう。

 その際登場したモデルこそ、「ランゲ1」なのですが、このモデルこそ2019年現在でもランゲ&ゾーネを代表するモデル。

 登場から25年が経過した今でもなお、デビューからほぼ変わらない姿でラインナップされ続けています。

 

 ランゲ&ゾーネというブランドが、日本の腕時計ファンに認知されたのは、2000年代前半のことだと思いますが、その際、パテックフィリップに匹敵するブランドとうイメージだったと感じます。

 当時のランゲ1の主な実勢価格は、パテックフィリップ5035Jなどと同様だといえますが、当時の5035Jも、ランゲ1も、メカニズム的な評価が高かったと思います。

 今では「年次カレンダー」といえば、多種多様なラインナップがありますが、2000年代前半におけるそれは、基本5035のみ(5035以外にブレスレットやPtモデルがあった)。

 ですから、年次カレンダーといえば、すなわち5035という印象があったわけで、今のワールドタイムに近い展開となっていたのです。

 

 ランゲ1は、そのように高い評価となっていたわけですが、そういった評価は、2010年代になっても変わることがありませんでした。

 ランゲ&ゾーネの腕時計は、ランゲ1に限らず、全体的に評価されている印象で、クロノグラフのダドグラフに至っては、パテックフィリップのクロノグラフがそうであるように、一般ユーザー向けに中古販売される腕時計としては、かなり高い価格帯に位置するという印象がありました。

 中古売出し価格の面でも、はやり評価されている印象があり、2010年頃と2015年頃とでは、その価格差は100万円以上ということもありました。

 ですから、やはりランゲ&ゾーネは、価格的な意味でも、パテックフィリップ級の高級ブランドというイメージだったわけです。

 

 しかし今、ランゲ&ゾーネというブランドに対して、パテックフィリップに匹敵するという印象は薄れているといえる状況だと思います。

 なぜそういったことがいえるかというと、理由は大きく2つあるといえます。

 1つ目が、中古の値動きなのですが、ランゲ1を始めとして、多くのモデルが2017年以降、値下がり傾向となっているからです。

 2017年といえば、ロレックスやパテックフィリップの人気モデルが目立って値上がりした時期ですが、その頃からランゲ&ゾーネは下落。

 結果的に、デイトナ16520より一部のランゲ1のほうが安いといったように、その価格序列は大きく異る様子となっています。

 そして2つ目が、ランゲ&ゾーネというブランドに対しての話題性です。

 例えば、インスタグラムでは、パテックフィリップやロレックスなどをよく見かけますが、ランゲ&ゾーネの投稿はあまり見かけません。

 実際「#patek」が104万件であるのに対し、「#lange」は19万件にとどまります。

 そういったことから、ランゲ&ゾーネというブランドのインパクトが5年前と比べて薄れつつあると感じるわけです。

 

 ウォルター・ランゲ氏なき今、ランゲ&ゾーネというブランドは、現代の腕時計ファンに対して、なにか新しい価値をアピールしなければならない時期なのかもしれません。

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