ATFコラム

ホーム > > カシオ

カシオ

ATF_20200331_01.jpg

 腕時計投資家の斉藤由貴生です。

 連載第17回目の今回は、カシオについてお話させていただきたいと思います。

 

 カシオの腕時計といえば、G-shockや「チープカシオ」と呼ばれるモデルがありますが、それらはいずれも世界的に知名度がとても高いといえます。

 カシオのブランド展開として、高級品はあまりありませんが、知名度が高いというのは、中古市場での『価値』にとって重要なことです。

 そういった意味では、カシオというブランドは、日本勢で最もブランド力が強いといえそうですが、中古市場を見てみると評価されている製品は意外と多くありません。

 国内や海外の中古市場を見ると、現在20万円以上という評価をされているのは、ほぼG-shock。それらの中で最も数が多いのが「MR-G」などの高級ラインです。このようなモデルが評価されるというのは、一見自然なことのように思いますが、筆者としては少々意外だと感じています。

 なぜなら、G-Shockには、「本来の定価は2万円程度だけど、相場は数十万円」というような評価があると思っていたからです。

 

 私としてはG-Shockは、文脈的には「マジック・ザ・ギャザリング」に近いと思っています。

 「マジック・ザ・ギャザリング」は有名なカードゲームですが、2019年3月には1枚のカードが1800万円という価格で落札されたことがニュースになっていました。

 ゲームに興味がない人からすれば「ただの紙切れが1800万円」と不思議に思うでしょうが、それに対して価値を見出す人がいるわけです。

 しかし、今の中古市場では、高級ライン以外で評価されているG-Shockはごく少数。

 そういったことに該当するモデルは、主にフロッグマンですが、それらは比較的近年に販売された限定品。

 流通量も少なく、文脈なく売値が大幅に変化するなど、ロレックスのような"分かりやすい値動き"とはなっていないのです。

 ちなみに、今から20年ほど前、「G-Shockブーム」がありましたが、その際「高値」だったのもフロッグマン。

 今のレアG-Schockの様子は、20年前と比べると地味といえますが、『評価されているのがフロッグマン』という点は共通しています。

 G-Shockにはコレクターが存在し、そういった方々は日本のみならず世界中にいる印象です。

 そのような方々が「マジック・ザ・ギャザリング」のカードのように高額取引を行っていても不思議ではないと思うのです。

 

 しかしながら、そういったことは今の中古市場には"無い"といえます。

 もしかしたら独特のマーケットすぎて、可視化できていないだけなのかもしれませんが、中古販売状況の様子を見る限り、ロレックスを始めとする高級腕時計のような市場が成り立ってるとは思えません。

 腕時計には、大まかに「高級腕時計」、「安価な腕時計」、「スマートウォッチ」などのジャンルがありますが、G-shockは「G-Shock」という1つのジャンルだといえます。

 「高級腕時計」以外のジャンルは、製品のキャラクター的に消耗品だといえます。

 そのため、高級腕時計のように、不要になったら『売る』というよりも、捨てられてしまうことが多いでしょう。

 

 確かに、G-Shockもそういった文脈が当てはまる製品です。

 私は今33歳ですが、中学生のときにG-shockを持っていた友人に「今でも持っているか」と聞くと、「どっか行ってしまった」という答えが多く感じます。

 しかし、ここで重要なのはG-Shockと他の腕時計(安価な)との違いです。

 一般的に安価な腕時計は、そのキャラクターがはっきりしておらず、オーナー自身もモデル名すら把握していない可能性があります。

 それに対して、G-Shockはそれぞれのキャラクターがはっきりしており、フロッグマンのように評価されるモデルもあるわけです。

 ですから、G-Shockには評価される土台が整っていると感じ、なにかのきっかけさえあれば、過去のレアモデルに高い注目が集まる可能性があると思うのです。

 そして、もしもそうなったときには、きっと誰かの家の押入れで眠っている未使用品レアモデルに、ものすごい評価がつけられるのでしょう。

ATF_20200331_02.jpg

ATF_20200331_03.jpg